論文:計算科学技術部の城野亮太(主著者)、手島正吾(共著者)の研究が、学術論文誌Scientific Reportsに掲載されました

タイトル:Microstructure of the Fluid Particles around the Rigid Body at the Shear-thickening State toward Understanding of the Fluid Mechanics(流体力学の理解へ向けた剛体周りの流体粒子の微細構造)

著者:Ryota Jono, Syogo Tejima, and Jun-ichi Fujita

雑誌Scientific Reports,11,24204(2021)

DOI:  https://doi.org/10.1038/s41598-021-03714-w

液体にせん断を加えたときに粘度が増し固体のように振る舞うことをダイラタント現象といい,身近なところでは水溶き片栗粉などに現れる流体力学の一分野である.ダイラタント現象の応用としてスペースデブリ(宇宙ごみ)など高速に飛来する物体に対する柔軟かつ耐衝撃に優れた材料への展開など大きな可能性を秘めているが,その粘度変化の起源,特に分子論的なメカニズムは未だわかっていない.本研究で我々は非平衡分子動力学法によって流体粒子中の剛体球のシミュレーションを用いたダイラタント現象の発現に成功した.剛体球周りおよび流体粒子周りの2次元対分布関数から,ダイラタント現象が発現するときには微細構造が異方性を持っていることを示し,流体粒子と剛体球の大きさの違いに起因する速度の違いによってこの異方性が現れることを見出した.この速度差によって流体粒子と剛体球の衝突が引き起こされ系の粘度が上昇することを明らかにした.